目標はオリンピック。 立教で育む アスリートとしての力

コミュニティ福祉学部 沼澤 秀雄教授×立教新座高校3年生 山中 望未さん×立教新座高校2年生 吉川 恭太郎さん

2017/12/20

OVERVIEW

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、立教学院全体でスポーツへの取り組みが加速しています。それぞれの競技でジュニアの強化選手として戦っている高校生アスリート二人とアスリートの競技力向上を目的としたトレーニング方法などを専門とするコミュニティ福祉学部の沼澤教授が語り合いました。

競技との出合い

『立教学院NEWS Vol.27』表紙写真撮影のため技を披露する山中さん

沼澤 お二人は年齢別の全日本選手権や高校総体などで上位の成績を収められていますが、競技はどのようなきっかけで始めたのでしょうか?

山中 子どものころひどいぜんそくで、はだしでするスポーツがいいということで両親に空手道場に連れていかれたのがきっかけです。4歳から始めて6歳で一度やめたのですが、その半年後に現在所属する道場に移ったところ、すぐに結果が出たことで夢中になり、それからずっと続けています。空手の形(かた)は自分と向き合いながら一人で技を高め、自分なりの形を追求していきます。そこに魅力を感じています。

吉川 幼稚園から水泳を始めて、小2の時に親からトライアスロンの大会に出てみないかと言われて出場したのがきっかけです。サッカー、テニスもやりましたが、トライアスロンは全国大会で常に上位だったので、自分に向いていると思い、中学から本格的に始めました。チームなどに所属せず、練習計画を立てることからすべて一人でやっているので、その辛さはありますが、乗り越えたときの達成感はとても大きいです。

沼澤 全国や世界で戦うレベルになると、日々の生活リズムや食事など、競技のための生活がきちんとできていないといいトレーニングはできないし、パフォーマンスにもつながりません。学業との両立はどのように工夫していますか?

吉川 運動量が多いので、しっかり寝ないと身体が回復しません。生活リズムには気を付けています。持久力を高めるためにできるだけ練習に時間を割きたいので、授業中は集中し、すべて吸収する気持ちで取り組むなど、効率的な学習を心掛けています。テスト前は大変ですが、それを乗り越えることが強さにつながっていくと思います。

山中 授業中に完結させるのは自分も同じです。テストが近づくと、なるべく友だちと勉強の話をするようにして知識を確認しています。勉強は大変ですが、学びを通じて思考力が身に付いたことで、部活で後輩を指導するときなど、自分が感じていることを言葉にして伝えられるようになりました。

スポーツ環境としての立教

Brazilian Youth School Games(2017年11月)に出場した吉川さん(左)

沼澤 競技に取り組む環境として立教を選んだのは、どのような理由からですか?

山中 強豪校に行けば、そのやり方に合わせなければなりません。一人でもできるところを見せたかったし、何より立教は公式用の空手マットもあって練習環境が整っていたことが魅力でした。それと、自分が入ることで部の活性化に貢献し、「立教新座高校の空手道部」を作っていきたいという思いもありました。現在、部員は5名。6月の高校総体の埼玉県予選会では、団体形の部で準優勝を果たすことができました。

吉川 部活としてトライアスロンがある高校は少なく、ならば公立でいいと思っていました。でも、中学の先生から立教は施設が充実していると勧められて見学したら想像以上で、ここしかないと思いました。いまは水泳部に所属し、陸上部の練習にも参加させてもらっています。通学もバイク(自転車)の練習にちょうど良い距離で、入学して良かったと感じています。友だちも大会の応援に来てくれて心強い存在です。

沼澤 立教学院では、この数年で池袋も新座もスポーツ施設・設備が充実し、競技やトレーニングに取り組む環境がどんどん良くなってきました。スポーツは10年スパンで考えていきますが、立教の小中高大という一貫連携教育の中で、トップアスリートを育てられる環境になってきていると思います。二人ともこれから体づくりの時期になりますが、私たち大学教員グループが研究する筋肉の「エキセントリック収縮」(伸縮性収縮)のトレーニングは、ハイレベルの筋トレが可能です。大学にはそういったトレーニング機器もあるので、ぜひ試してほしいですね。

TOKYO2020から その先へ

沼澤 2020年に自分たちの街で世界的なスポーツイベントが開催される意味は大きいと思います。二人は、オリンピックをどう捉えていますか?

山中 いままでは自分にとって遠い存在でしたが、今回から空手が正式種目となったことで、自分の空手をオリンピックの場で披露したいという思いはあります。今年18歳になり、ジュニアからシニアに変わるので、シニアの大会でも存在感を発揮できるか、今年も勝負の年になります。まずは、課題を一つ一つ乗り越えながら、経験を積んだその先に可能性が見えてくると思います。

吉川 オリンピックは小学生のころからの目標ですが、規定距離の参加資格が18歳以上なので、僕が参加できるのは来年から。2020年までは2年しかなく、しかもその間にポイントを稼がなければなりません。強化コーチには「君たちの代が狙うのは2024年だよ」と言われましたが、まず来年の日本選手権の予選会で勝って、18歳でもできるというところを見せていきたいと思います。

沼澤 大学では「立教オリパラ応援団」も立ち上がり、立教でも2020年に向けて盛り上がってきました。一貫連携教育のメリットも生かしながら、アスリートのトレーニング環境やメソッドが確立され、周りの応援する人たちも含めて、立教全体のスポーツ環境が醸成されていくと、総合型スポーツクラブのような場づくりができるのではないかと考えています。スポーツは言葉や国境を越えるといいますが、コミュニケーションのツールとしても素晴らしいものです。身近に応援したい人がいれば、地域活動の手段にもなる。6月に体育会硬式野球部が大学野球日本一になったときにも感じましたが、スポーツをきっかけに学内につながりが生まれ、人のつながり、地域のつながりが生まれていく。そこがスポーツのいいところであり、一人一人がその環境づくりに主体的に関わっていくことが求められていると思います。立教学院全体がオリンピック・パラリンピックで存在感を出していくためにも、お二人にはがんばっていただきたいと思います。

※本記事は、『立教学院NEWS』Vol.27(2017年10月)の記事を再構成したものです。記事の内容およびプロフィールは、取材当時のものです。

プロフィール

PROFILE

沼澤 秀雄教授(左)
コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科教授/立教大学ウエルネス研究所長

山中 望未さん(中央)
立教新座高等学校3年生 空手道部所属
平成29年度全国高等学校総合体育大会 空手道競技男子個人形の部優勝

吉川 恭太郎さん(右)
立教新座高等学校2年生 トライアスロン選手
2017全国高校生チャレンジトライアスロン大会 1位