立教学院オリンピック・パラリンピック事業とスポーツ振興

2017/12/20

OVERVIEW

2020年まであと3年。立教大学の東京オリンピック・パラリンピックプロジェクトが始動するなど、立教学院全体でさまざまな動きが活発化しています。プロジェクトの座長である原田久副総長に、活動の意義や今後の動きなどについて伺いました。

プロジェクトの概要

2020年をきっかけとして その成果を未来へ継承するために

原田 久(立教大学 東京オリンピック・パ ラリンピックプロジェクト座長 立教大学副総長/立教大学法 学部教授)

東京オリンピック・パラリンピックプロジェクトは、立教大学「RIKKYO VISION2024」のアクションプランの一つとして、多様な人々との文化的交流や、ウエルネス向上を目指す環境と機会を提供する教育・研究活動の推進を目的に、2016年11月に発足しました。オリンピックなどのスポーツ大会への参加は、競技者としてスポーツを「する」だけでなく「観る」、そして「支える」という関わり方があります。

例えば、1964年の東京オリンピックでは、立教大学のホテル研究会の学生が、選手村の食堂の一つ「インターナショナル食堂」の運営を担いました。このような「支える」活動も含めて、全学的な体制で教育研究的観点、地域貢献・社会貢献的観点からプロジェクトを推進します。7月には、立教生たちが2020年の東京大会に主体的に関わり、関連するイベントやボランティア活動に参加する(観る・する・支える)きっかけとして「立教オリパラ応援団」の募集を開始しました。8月末現在の登録学生数は約300人。9月に開催された埼玉西武ライオンズ主催の車椅子ソフトボール大会には、約10人の学生がボランティアとして参加しました。今後は、2020年に大学生となる高校生の参加も募り、ボランティアを介した一貫連携教育の機会を広げたいと考えています。

「立教人」としての絆を深める

立教大学東京オリンピック・パラリンピックプロジェクト

立教学院にはオリンピック・パラリンピックに出場経験のある学生や卒業生、あるいは出場を目指す在学生もいます。こうした身近な人の活躍が、同じ立教生としてのシンパシー、立教人としての絆を実感することにつながり、自信や誇り、母校愛を育む機会になるはずです。卒業生にとっても、自らが立教人であることを再確認する機会になるでしょう。

また、池袋キャンパスの総合体育館ポール・ラッシュ・アスレティックセンターの室内温水プールは、パラリンピック水泳競技のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設(夏季競技)に指定されており、リオデジャネイロ・パラリンピックのメダリストたちが、日々、練習しています。さらに、新座キャンパスの体育施設は、ブラジルのオリンピックチームの事前トレーニングキャンプ地に選定されました。今後は、選手らとのたくさんの交流の機会を創出したいと考えています。アスリートがひたむきに練習する姿や、世界を舞台に戦う一流のアスリートたちの迫力ある姿を目の当たりにすることで、選手や競技を身近に感じ、ファンとなって応援する。それが、2020年を盛り上げ、成功させる、さらに言えば、立教や日本の将来を展望する一助となるでしょう。

児童・生徒・学生には、東京オリンピック・パラリンピックに主体的に関わることを通して、立教学院の教育目標の一つである「共に生きる力」を育んでもらいたい。また、学院としても、今後、ボランティアや部活動といった正課外活動を通した、一貫連携教育を推進していければと思います。

各取り組みのご紹介

プロジェクトでは、2020年を機に立教大学の歴史・教育・研究の特徴を踏まえ、その独自の強みを生かした社会貢献活動として、多様な人々との文化的交流、心と身体の健康、活力を持って生きる環境を提供する多彩な教育研究活動を実施しています。2020年をゴールとすることなく、教育・研究活動を活性化させる契機と捉え、在学生や教職員、卒業生を含めた全学的な体制で取り組みを推進していきます。

オリンピック・パラリンピック教育に関する授業展開 約10 科目・約550人の学生が受講

科目例1 全学共通科目コラボレーション科目 「2020年東京パラリン ピック支援を考える」、立教ゼミナール発展編4 「東京パラリンピック支援の 方法と実践」 ーー担当:松尾哲矢教授
講義では、東京パラリンピックに関連する競技団体、組織委員会、パラリンピアン等を招へいし、実践的な検討を行う形式により、パラリンピックの意味・課題を探り、支援の在り方と方法について多角的に考察。発展編のゼミナールでは、東京パラリンピックを機にしょうがい者スポーツとしょうがい者支援を見通したスポーツボランティアのあるべき姿と方法について考察します。
2020年の東京大会がどのように運営されていくかについて、企業、広告代理店、組織委員会の構図からオリンピックのマーケティングを考察。さらに、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけにして、
自分自身がどのように関わっていくのかを考え、今後の生き方を見直す機会にすることをこの授業の目的としました。
科目例2 全学共通科目コラボレーション科目 「オリンピックマーケティング」 ーー担当:沼澤秀雄教授

授業を一般公開した講演会「オリンピックの魅力を再 考する ーー2020年東京オリンピック・パラリンピッ クで何ができるかーー」(6月10日)

スポーツイベントを成立させるマーケティングをテーマに、2020年の東京大会がどのように運営されていくかについて、企業、広告代理店、組織委員会の構図からオリンピックのマーケティングを考察。さ
らに、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけにして、自分自身がどのように関わっていくのかを考え、今後の生き方を見直す機会にすることをこの授業の目的としました。

立教オリパラ応援団

各種イベントやボランティア活動に主体的に関わり、自ら“観る・する・支える”きっかけとして、「立教オリパラ応援団」への参加者を募集しています。大会組織委員会が募集するボランティアでは、オリンピック・パラリンピック競技に関する基本的な知識やスポーツボランティアをはじめとするボランティア経験が求められます。オリパラ応援団では、登録者を対象に、学内で開催されるイベントやボランティア講習会、学内外のボランティア情報などを優先的に配信していきます。※対象は立教大学在学生のみ

学外ネットワークの構築

豊島区との連携協定を締結
2017年7月26日、東京都内初の試みとして、立教大学と豊島区は、「2020年の東京オリンピック・パラリンピック事業における連携協力に関する協定」を締結しました。文化・芸術・観光を含む諸活動をはじ
め、しょうがい者スポーツ普及に向けた支援活動、パラリンピック教育を通じた人材育成、スポーツ施設の相互活用など、5つの協力事項について、それぞれの人的・知的・物的資源を活用します。こうした自治体と大学の単独での協定締結は、公民連携を積極的に進める豊島区と立教大学だから実現できた取り組みといえます。

西武ライオンズと連携協力に関する基本協定を締結
立教大学は2017年7月4日、株式会社西武ライオンズと「連携協力に関する基本協定」を締結。協働事業を通じて地域社会の発展や教育振興への寄与を目指します。地域振興では県庁や周辺自治体との連携によ
る地域活性化に向けた取り組みの推進、スポーツ振興においては、野球教室等の共同開催、教育振興では、西武ライオンズ主催試合のイベント等の企画運営スタッフとして立教生の参加、車椅子ソフトボール大会への学生ボランティアの派遣などが実施・検討されています。

他国オリンピックチーム・ 国内トップアスリートとのネットワーク構築

ブラジルオリンピック委員会と施設利用等に関する覚書を締結
2017年6月25日、立教学院と埼玉県、新座市などの自治体が日本オリンピック協会とともに、ブラジルオリンピック委員会と2020東京オリンピックにおける事前トレーニングキャンプ等の施設利用に関する覚書を締結しました。セントポールズ・フィールドや体育館、セントポールズ・アクアティックセンターなど、新座キャンパス(中高、大学)と富士見総合グラウンドの施設がブラジルオリンピックチームのトレーニングキャンプ施設として利用されます。

PRACがナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設に指定
立教学院は日本身体障がい者水泳連盟と覚書を締結し、2014年より池袋キャンパスの総合体育館ポールラッシュ・アスレティックセンター(PRAC)の室内温水プールを練習場として提供してきましたが、2017年2月、スポーツ庁よりパラリンピック水泳競技のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設(夏季競技)に指定されました。また8月4日には、日本身体障がい者水泳連盟、日本知的障害者水泳連盟と連携協力に関する包括協定を締結しました。

EPISODE

リオの会場で通訳ボランティアとして活動し ていた堀池桃代さん(社会学部4年次)と握手。会場で立教生に会えるなんてと驚くと同 時にとてもうれしかった経験

ゴールボール日本代表選手若杉 遥さん(社会学部社会学科4年次)ロンドン 金メダル、リオデジャネイロ 第5位
ゴールボールは、ゴーグルで目隠しをすれば皆がフェアな状態になり、誰でも参加できるユニバーサルスポーツです。体験すると、いつもは視覚に頼っていることを耳や感覚だけを頼りに動くことにおもしろさを感じてもらえるのではないかなと思います。立教では、スポーツフェアで体験会を行ったり、今年の3月に行われた埼玉ゴールボール大会に立教大学チームが出場し、私もコーチとして協力したりと、少しずつゴールボールという競技を知っていただく機会が増えていると感じていますが、私のいまの目標は池袋キャンパスでゴールボール体験会を開催すること。「2020年東京パラリンピック支援を考える」※でも宣言しましたが、卒業までに実現したいと思っています。見るのと実際にプレーするのとでは全く違うので、ぜひ一度体験してほしいです。
オリンピック・パラリンピックは、スポーツ選手にとって特別な大会です。私も、2020年に向けて一つ一つの大会を大切に、準備しています。これからも、応援よろしくお願いいたします。

※全学共通科目コラボレーション科目(担当:松尾哲矢教授)。若杉さんはゲストスピーカーとして登壇した

※本記事は、『立教学院NEWS』Vol.27(2017年10月)の記事を再構成したものです。記事の内容は、取材当時のものです。